あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「俺も幸せだから、これで良いんだよ。」

郁也の頬にある私の手をぎゅっと握る郁也の大きな手。

「おはよう。起きていたの?」

私から郁也の鼻にキスをした。

くすぐったそうな顔をする郁也は、まだ寝ぼけているのか何だかかわいらしい。

「今起きた。すごくぐっすり寝た気分だ。」

カーテンから明るい光が反射している。

「良い天気だね。」

私は身体を起こそうとした。

「もう起きるの?」

そう郁也が言った途端、インターホンが鳴った。

「こんな時間に誰?」

私は顔をしかめて言った。

「萌香、もう10時だぞ。多分透じゃないかな。」

もっそりと起き出す郁也。

< 174 / 400 >

この作品をシェア

pagetop