あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
16
「おはよう。」

私は目が覚めて、郁也の頬にキスをした。

「…ん?」

まだまだ眠そうな郁也の表情に、私は笑いかけた。

「昨日はありがとう。あの後は夢も見ないでぐっすり眠れたよ。」

私が郁也にとても伝えたかった言葉。

「萌香、可愛すぎる。」

郁也の手が私の身体を寝ぼけた様子で探っているようだ。

「いっ、郁也?」

私は焦って身体を離そうとした。

でもそれは一瞬遅く…。

しっかり郁也に捕まってしまった私は眩しい朝の光の中で、初めての時と違う感覚で郁也を受け入れた。

今日は痛みを感じない。

そう、それは痛みではなくなってしまった。

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