あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「今何時だろう。」

私はそう言った。

郁也も同じことを思ったようで、私の声と同時に身体を起こして時計を見た。

「親父に昼前に行くと伝えてあるんだった。今からなら間に合うぞ。」

ニヤリと郁也は笑って、私の腕を引っ張って私の身体を起こしてくれた。

私も時計を見ると、10時を時計の針は指そうとしている。

「身体は大丈夫か?」

そんな郁也の声に私は苦笑いをした。

恐る恐る手をベッドにつき立ち上がろうとして、私はふらついた。

横で郁也が笑っている。

「朝から激し過ぎたか。」

そんな郁也の言葉に反発するように、今度はふらつかずに私は立ち上がった。

「シャワー浴びてくる。」

私はゆっくりと歩き方を思い出すかのように足を出す。

「手早く頼むよ。」

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