あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
そう言って頭を下げてくれた。
私はその姿に慌ててしまって、思わず郁也の方を見た。
郁也はニッコリとうなずいた。
「こちらが相原萌香さん。二人が認めてくれたら婚約者になってくれる人です。」
そんな風に私を紹介した郁也。
「相原萌香です。郁也さんにはいつもお世話になっております。」
私も頭を下げた。
そんな私達を見て、笑っている郁也のご両親。
「そんな堅苦しい挨拶は終わりだ。二人とも座りなさい。」
お父さんはお母さんに合図して座った。
これまでの様子だけでも、このご夫婦が普段から仲睦まじい事が伝わってくる。
「それで、二人ともいつ結婚してくれるんだ?」
なんて単刀直入な言葉なんだろう。
お父さんのそんな言葉を受けて、お母さんも口を開く。
「入籍は早ければ早い方が良いわ。でも結婚式は会社の関係で取引会社に対するお披露目も兼ねるから、ちゃんとした準備期間が必要になるわ。」