あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
その間に郁也の小さい頃の話をいろいろと聞いた。
それに透さんがいろんなエピソードをつけて茶化すので、郁也はすっかり黙り込んでしまった。
「萌香にそんな事まで話さなくても…。」
なんて時々口をはさみながら。
しばらくすると、郁也は私を見た。
「そろそろ俺達帰るよ。透、送ってくれ。」
「そんなに急がなくても。」
お父さんもお母さんもお名残り惜しそうに言った。
「またゆっくり来るよ。」
そう言って郁也は立ち上がった。
それを見て、透さんも立ち上がる。
「そろそろ二人になりたいか。」
そう言って透さんは目をくるっとさせて、郁也の両親を見た。
二人は笑っている。