あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

「大丈夫です。佐川さんに確認しましたから。」

私は言ってしまってから、口を押える。

「一緒に選びに行ったみたいだね。佐川の気持ちにやっと気が付いた?」

山崎さんはやっぱり知っていたんだ…。

そこに昨年入社した木村君が出社してきた。

「山崎主任、相原さん、おはようございます。」

「おお、佐川の送別会の場所は抑えたか?」

そう木村君に確認する山崎さん。

「はい、ネットで確認してもらえますか?OKが出れば、予約します。」

「分かった。じゃあね、相原さん。」

二人は連れ立って二階に上がっていく。

これ以上山崎さんに突っ込まれなくて良かった。

木村君に助けられた。

案外、自分がうまく立ち回りが出来ない事を思い知った。

私、ちゃんと郁也の事をばらさずに退職出来るのかな。
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