あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「私は相原さんが自分の娘のように可愛いの。相原さんじゃなければ、この会社にも復帰しなかったと思うし。私の娘を泣かせないでよ、佐川さん。」
本気か冗談か分からないような感じで言う小夜子さん。
「小夜子さんこそ、再婚の話なんか出ていないんですか?」
意味あり気にニヤニヤする郁也。
「そうなんですか?小夜子さん。」
私は思わず叫んでいた。
「もう、佐川さんたら先に言っちゃって。相原さんの話をちゃんと聞いたら、私の方の話も聞いてもらおうと思っていたのに。」
ちょっと頬をふくらます小夜子さん。
もしかするとそれがあったから、今までそんなに突っ込まれずに来たのかもしれない。
「でもお相手って?」
私がそう聞いた途端、声が聞こえた。
「それは俺の事かな?」
そこにはニコニコ笑う社長の姿。