あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
声のボリュームを落として、山崎さんが話し出す。

「送別会をしてやろうと思っているんですが、工務課で仕切っても良いですかね?」

山崎さんは社長を見る。

「会社で持つから、費用の事は気にするな。」

社長は山崎さんの言いたい事が分かったようだ。

「ありがとうございます。ところで相原さん…。」

山崎さんの視線は私に移った。

「何か記念品でも贈りたいんだけど、買い物して来てくれる?」

私は一瞬困った顔をした。

「私、買い物はいくらでも行きます。でも何を買ったらいいのか分からないので教えて下さい。言われた物を買ってきます。」

私は山崎さんにすがる。

「相原さんには彼氏は居ないの?」

社長が尋ねて来た。

私はハッとして、拗ねた顔をした。

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