あなたに包まれて～私を分かってくれる人～

郁也は定時で一度自宅へ戻り、それから送別会の会場になっているちょっと雰囲気の良い居酒屋に来るらしい。

それ以外の会社の人は、みんなぎりぎりまで仕事をして、それから直接その居酒屋へ向かう予定。

それは私も同じ。

小夜子さんも時間を見計らって、一度会社に寄って、みんなと会社から行くと言って、お昼で帰って行った。

きっと社長とそう決めたんだろう。

お昼の休憩を終えると、私は自分のデスクについた。

今日も午後は事務所に私は一人みたいだ。

そこに山根さんが入って来た。

「今日の佐川さんの送別会は会社から行くの？」

用事を済ますと、そんな風に聞いてきた山根さん。

「ええ、だからそれまでに何とか終わらせたい仕事があるので、今から頑張らなくちゃいけません。」

私は山根さんに答えた。

「ふ～ん。」