あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「…いません。」

「でも居た時期もあるんだろう?」

山崎さんもからかうような顔をして聞いてきた。

「すいません。年齢が、彼氏いない歴と同じです…。」

私は俯いた。

社長と山崎さんが顔を見合わせた。

「そうなんだ。それなら佐川ぐらいの年齢の男が欲しい物なんて分からないか。じゃあさ、相原さん。」

社長は私に顔を上げるように促した。

「それとなく佐川に今欲しそうなものを探ってくれよ。もし無理だったら花束ぐらいにしておけば良いし。」

山崎さんも楽しそうに社長に同意をした。

「何なら二人で一緒に買いに出掛けてくれても良いぞ。」

はあ?

思いがけない山崎さんの言葉に私はあんぐりと口を開けた。

「その辺は相原さんに任せるよ。」

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