あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
郁也はそのままわたしの横に立って、座ったままの私を抱きしめた。
郁也のお腹あたりに私の顔が来ている。
「これからはこんな風に萌香の事を見張る事が出来ないのだから。」
「見張るって?」
私は思わず顔を上げた。
「良いから。」
そう投げやりに言った郁也は私に目を合わせずに、上を向いた。
「恥ずかしいから見るなよ。」
「えっ?」
私はこっちを向いてほしくて、頭で郁也さんのお腹をつついた。
「…やきもちだから…。」
その郁也さんの言葉に私は赤面した。
ここが会社であることを忘れそうだ。