あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
私はそんな郁也の姿に、思わず微笑む。
私は郁也に駆け寄りそうになって、慌てて我に返る。
「相原さん…?」
横で山根さんが私を呼んだようだったが、私の耳には入って来なかった。
「おう、佐川。待たせたな。」
山崎さんや社長が郁也に近づいて、声を掛けていた。
「初めのうちは端っこの席で二人で楽しもうね。」
小夜子さんが近づいてきた。
居酒屋に入ると、個室に向かい合って座るようにテーブルがセッティングされている。
私と小夜子さんは一番下座に二人で座った。
もちろん社長や郁也は上座。
ちょっと離れていて寂しいけれど、今日はしょうがない。
私達のそばには木村君を筆頭に、若手が座った。
全員の席が決まって、社長と山崎さんが短い挨拶をした。