あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
そして伊藤さんの音頭で乾杯。

「小夜子さん、美味しそうですね。」

居酒屋と言っても、ここは料理も美味しいと評判の店。

「本当ね、これは何を使っているのかしら?」

小夜子さんがそう言いながら、一口パクリ。

「長いもを海苔で巻いているみたいですね。」

私も同じものを口に入れ、小夜子さんとうなずき合う。

ビールでもう一度二人で乾杯した。

小夜子さんも帰りは電車なので、飲む気満々みたいだ。

私は弱いから、ほどほどにしておかないと。

郁也と二人でのお別れ会の事を思い出す。

私達の関係が動き出したのは、あれからだよね。

私は食べる事に専念し始めた。

さすがに男ばかりの職場。

よく食べるし、よく飲む。

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