あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「私達はお二人に比べたら、まだまだみたいです。」

私も小夜子さんを見ながら言った。

「まあ、佐川も気を付けるんだな。相原さんのファンはたくさんいるからな。」

社長がそんな風に言ったが、私には心当たりはない。

「私なんて、相手にしてもらえないから大丈夫ですよ。」

私は社長に真顔で言った。

「いつもこれなんですよ。全然自分の事が分かってないんです。」

「本当に相原さんは鈍感なのね。佐川さん、苦労するわ。」

小夜子さんも笑いながら、カクテルを飲んだ。

「相原さん、君は社員の愚痴の相手をしてくれているだろう。みんな相原さんと話したくて仕方がないんだよ。話を聞いてもらうだけで、癒されるからな。でも一番そばにいたのは佐川だったけど。」

今度は社長と小夜子さんが笑う番。

郁也は照れながら、うなずいている。

「とにかく社長と小夜子さんに見張っていてもらう方が安心だな。」

私のきょとんとした顔を見て、安心してように微笑む郁也。

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