あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「自覚がないのなら、それはそれで良いか。」

社長は時計を見ると、郁也に促した。

「そろそろお開きにしようか。二次会は本当になしで良いんだな?」

私は郁也の方を見た。

「二次会は無しなの?」

うちの会社は男の人ばかりだから、こういう時に二次会があるのは当たり前になっている。

「萌香を送って行かなきゃいけないだろう?」

当たり前のように言う郁也。

「佐川、違うだろう。二次会に相原さんが行ったら、心配だからだろう。」

社長はそう言うと、小夜子さんと笑い出す。

今日はこの二人によく笑われる日だ。

するとおもむろに社長は立ち上がった。

「おい、山崎。そろそろお開きだ。」

かなりお酒が入って、気分が良さそうな山崎さん。

だがうなずきながら立ち上がって、こちらにやって来た。
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