あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
4
佐川さんにお別れ会を指定された日。

何となく他の人には話しにくくて、内緒にしていた。

小夜子さんが帰った昼休みの後、いつものように佐川さんがやって来た。

「今日は何時頃上がれるの?」

佐川さんはニヤニヤしながら、周りを伺っている。

「今の調子なら6時半ごろには…。」

「よし、じゃあ駅のそばのカフェで待ち合わせといこう。」

佐川さんはニッコリ笑う。

「その後、居酒屋にでも移動しよう。」

何だか楽しそうな佐川さん。

その顔からは鼻声が聞こえてきそうだ。

「私、ほとんどお酒は飲めないですよ。」

私は心配そうに佐川さんを見る。

「そんな事はよく知っているよ。楽しくしゃべりたいだけだから大丈夫。じゃあ後でね。」

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