あなたに包まれて～私を分かってくれる人～

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そして数日後、郁也は会社を退職する日が来た。

郁也の今日一日は挨拶周りで忙しい。

午前中は社長や山崎さん、午後は伊藤さんとあちらこちらの取引先に出掛ける事になっている。

夜の会食まで予定に入っていて、帰りは遅くなるらしい。

「相原さん、予定通り14時からの面接の準備を頼むよ。」

社長がお昼過ぎに戻って来て、私に声を掛けてくれた。

郁也の後に、同じような経験のある中途社員を雇う事になった。

その面接が今日行われる。

募集を掛けたところ、こんな時期でも5人ほどの希望者があった。

社長は電話の受け応えとその後送られてきた履歴書から、こちらの条件に合っている人から面接をする事にした。

今日はその5人の中で、一番社長が興味を示した人がやってくる。

「昼からだから、私はその面接の人の顔も見れないなんて残念だわ。また明日、どんな人だったか教えてね。」

小夜子さんはそんな事を言いながら、今日も午前中で帰って行った。