あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
私はそのままお茶を入れ、会議室の前に立つ。
お茶をこぼさないようにだけ気を付けよう。
そんな事しか考えられないくらい、私は動揺していた。
「失礼します。」
ドアをノックし、静かに入って行って、手は震えていたが、何とかちゃんと3人分のお茶を出して、ドアの前に立って礼をして出て行こうとした時、面接の彼が口を開いた。
「相原萌香さんではないですか?」
社長と山崎さんの前で言われてしまったら、否定できない。
私は彼…滝川君の方を見た。
「君たちは知り合いなのか?」
社長が不思議そうに聞いた。
「覚えていないかな。大学の同期の滝川篤弘(あつひろ)だよ。」
私は仕方なく、滝川君の方を見た。
「お久しぶりですね。、面接頑張って下さい。」
私はそう言って、頭を下げて、会議室を出て行った。