あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

「きっと今面接している奴は、透の彼女との事に関係している奴なんだろう?」

私はうなずいた。

郁也はそんな心細げな私の顔を見た後、私の頭を撫でた。

「大丈夫。」

そして会議室に入って行った。

その行動があまりにも自然だったから、その時は何とも思わなかった。

けれど一人事務所に残された時、私は首を傾げた。

あれ?

何で郁也が面接をしている会議室に入って行く理由があるんだろう。

思わず考え込んでしまった私。

しばらくして面接が終わったようだ。

篤弘が帰っていく気配がする。

私は事務所でその様子を伺っていた。

もう顔を合わせたくない、そう思いながら。

事務所に社長と山崎さん、そして郁也が戻って来た。
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