あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「会議室、片づけてきますね。」
私は入れ替わりに出て行こうとした。
すると山崎さんが私を止めた。
「相原さん、彼とは知り合い?」
私は仕方なく立ち止まると、うなずいた。
絶対聞かれるとは思っていたけど…。
「はい、大学時代の知り合いです。」
私がそう言うと、山崎さんは言葉をつないだ。
「わざわざ俺達の前で、相原さんの事を言うなんて、普通ならおかしいよな。相原さんの様子もおかしかったし。」
ううっ…。
私は3人の男の人に囲まれて、小さくなるしかない。
「元カレ…、じゃないよな。佐川が初めての彼氏だもんな。」
社長は真面目な顔をして、そう言った。
「社長、その件は聞かないでやってくれませんか。」