あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

それどころか…。

「私はあの後すぐにスマホを解約して、みんなの連絡を絶ったから…。」

私はポツリと言った。

「それが確認出来ればいい。まずは二人で話し合って欲しい。その後、それぞれがちゃんと彼氏に報告する事。それだけは約束してくれ。その辺の事情が分からないと、俺も郁也もこの後どうしたらいいのか分からない。」

真剣な顔をして、ミラーを見ながら透さんは後部座席の私達を伺う。

「…ありがとう。透。」

有美が微笑んだ。

こんな優しい有美の表情を見たのは初めてだ。

「私には透しかいないんだから。お願い、信じて。」

有美のその言葉に、透さんはうなずいた。

「うちへ行こう。それから俺は一人寂しくドライブしてくる。2時間したら戻って来る。」

どうして透さんの家?

私の不思議そうな顔を見て、有美が笑った。

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