あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「私達、ちょうどこないだ萌香達と会った日から、一緒に住んでいるのよ。だから透の家は私の家なの。」

おかしそうに笑う有美。

「そんな記念日に萌香と再会するなんて、不思議なものよね。」

有美は学生時代の、あの仲の良かったころの雰囲気を醸し出していた。

そんな有美の様子に私はとても安心する。

透さんにマンションの前で降ろされた。

「ゆっくり話すんだよ。」

透さんは有美に微笑みかけると、私の方を向いた。

「萌香さんも思っている事をちゃんと有美に伝えてやってね。」

そして車は走り出した。

エントランスから中へ。

郁也と同じマンションの為、すっかり雰囲気に慣れてしまっている自分に苦笑い。

エレベーターはいつもの最上階より、一つ下の階で止まった。

「さっ、どうぞ。」

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