あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

私達はエレベーターでもう一つ上の郁也の部屋へ向かう。

「萌香、声がかすれていないか?」

そんな郁也の声に、私は郁也を見上げた。

「有美といっぱいいっぱい話をしたの。あんなに私がしゃべるなんて、自分でもびっくりした。」

私は少し大げさなくらい目を見開いた。

「萌香。」

郁也の顔が私の顔に下りて来た。

そこでエレベーターが止まった。

私達はそのまま笑うと、手をつないで部屋へ入った。


















< 291 / 400 >

この作品をシェア

pagetop