あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「そのまま私達5人は上手くいっていたはずだったのよ。」

私は郁也の顔を見た。

「私達の卒業式の日、私は篤弘に終わった後に呼び出されたの。私は当然5人で落ち合うんだと思っていたの。そうしたらそこに居たのは篤弘一人。その時に気が付くべきだったのよね。」

私は深いため息をついた。

「そこは校舎の裏で、私は篤弘にいきなり抱きしめられてキスされた…。」

私は郁也から目線を外して、うつむいた。

「そして篤弘に言われたわ。俺が好きだったのは有美じゃない、萌香だって。しかも出会ってからずっとだったって…。そして篤弘は…。」

私は郁也からとっさに手を離そうとした。

でも郁也はそれを許さなかった。

「それで?」

「私は壁に追い詰められて…、そこで襲われそうになった。大人しく俺を受け入れろって…。」

郁也はハッとして、私を抱きしめた。

私は郁也を見上げて言った。

< 293 / 400 >

この作品をシェア

pagetop