あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
伊藤さんはそんな回りくどい言い方をして、2階に上がって行った。

伊藤さんにも気を遣わせてしまったみたい。

でもその辺はさすがに営業課の主任。

言葉の選び方が上手だと思う。

でも…、私が頼りないから、佐川さんは怒る気にもならないのかな。

それどころか頼りなさ過ぎて、あれやこれやと手を出して手伝ってくれるのかもしれない。

あ~あ、いつまで経っても私って進歩しない人間なのかな。

一応これでも頑張っているんだけどな。

いつもの佐川さんの優しさが、逆に情けなく感じる。

でもこれまでそんな風に感じた事はなかったんだけどな。

佐川さんの行為をすべて自分の都合の良いように受け取っていたのかな。

そんな風に何となく浮かない気分を抱えて、私は仕事を再開した。















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