あなたに包まれて～私を分かってくれる人～

24

休みは2人で郁也の家で過ごした。

私は日曜日の夜、自分の家に帰った。

月曜日、郁也は山中建設へ初出勤だ。

朝から邪魔をしてはいけない。

家に着くと、明日から会社で郁也に会えない事に寂しさを感じた。

もちろん郁也は家まで私を送ってくれた。

「やっぱり心配だから、早く引っ越して来い。」

そう言って、郁也はなかなか帰ろうとはしなかった。

私は静かに首を横に振るだけだった。

「お互い仕事頑張ろうね。」

自分でそう言って、郁也を帰らせたはずなのに、すぐにこんな思いを感じてしまうなんて。

初めてそんな話をしたあの頃よりずっと郁也に対する気持ちが大きくなってしまっている事に、今更ながら気が付いた。

でも、やっぱり今の会社にちゃんと筋を通そう。

私は次の日の朝、いつもより早く目覚めた。