あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

この週末の事が嘘のようだ。

「いろいろな事があったな。」

私は独り言をつぶやく。

当たり前なんだけれど、このうちに私は一人。

でもこれは期間限定だ。

心でそんな事を思いながら、自分が強がっている事に苦笑いをする。

私は少し用心をしながら、家を出た。

電車を降りて、会社周辺は特に気を配った。

良かった…、篤弘は居ないようだ。

私は事務所に入って、ホッとする。

「相原さん、おはよう。」

今日は後から事務所へ入って来た小夜子さん。

「金曜日の面接は大変だったみたいね。」

もう小夜子さんはこの週末に社長から話を聞いたんだろう。

少し心配そうに私の様子を伺っている。
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