あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
ごめんなさい、山崎さん。
ちゃんと答えられなかった自分にちょっぴり罪悪感。
そんな事を感じながら、私は駅のそばのカフェへ向かう。
すぐ近くのはずなのに、今日は遠く感じる。
息を切らせて慌ててカフェに入ろうとして、後ろから肩を掴まれた。
「きゃっ。」
私はびっくりして、声を上げた。
「待たせておいて、それはないだろう。」
ニヤリと笑う佐川さん。
「すっ、すいませんでした。私、遅くなったと思って焦っていたから…。」
そう言って、佐川さんを見上げる。
「おお、こっちも相原さんを待たせたらいけないと思って、こっそりと会社を出てきたら思ったより早く着いた。」
そう笑う佐川さんの表情は優しい。
佐川さんは私の顔を覗きこむ。