あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「ありがとうございました。」

私はにこりと微笑んで、車を降りて頭を下げた。

とても気持ちが軽くなった気分。

「山根さん、私なりに頑張ってみます。」

そうだ、逃げてばかりじゃいけない。

有美の事だって、ちゃんと話し合ったら、きちんと解決出来たんだもの。

あの事だって、私が逃げてばかりいたから、有美との仲直りにもあんなに時間がかかってしまったんだ。

やっぱりもう郁也なしではいられない。

私は山根さんの車が動き出すと同時に駆け出した。

私は慌てて部屋に入ると、スマホを取り出す。

スマホと向かい合い、一度大きな深呼吸をした。

そしてまずはラインを送った。

-時間が出来たら話がしたい。都合の良い時間を教えて。私から電話するから。-

勢いでそれだけ打って、一度目をつぶって、そのまま送信した。

「はあ~、送っちゃった。」
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