あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
うっ…、近い。

私は思わず後ずさった。

「ん?」

佐川さんは驚いたように私を見た。

「相原さん、みんなにそんな表情をするの?」

「えっ?」

私は佐川さんの言っている事がよく分からなくて、首を傾げた。

「…まあ、いい。」

佐川さんは私から視線を逸らすと、私の手を握った。

「ここには入らずに、このまま居酒屋に行こう。」

そして私を引っ張る。

「さっ、佐川さん?」

私は驚いたけれど、佐川さんのなすがままになっている。

「何?」

佐川さんは何でもないように、また私の方を見た。

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