あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
そして私の手を引っ張りながら立ち上がった郁也。

「俺は萌香と居ないと何も出来ない人間になってしまったらしい。お願いだ、そばに居てくれ。愛している、萌香。」

私は驚いて、郁也の顔を見つめるばかり。

静かに私の頬を伝う涙。

愛している…、何て素敵な言葉なんだろう。

これまで言われた好きとは明らかに違う。

もっと、優しく柔らかい温かいものが込められた言葉。

「私も愛しているよ、ずっと一緒に居たい。」

私は郁也に近づいて、耳元で囁いた。

郁也の顔が赤くなっていくのに、私は気が付いた。

すると急に真顔になった郁也は呟いた。

「お互い寝不足は解消されそうにないな。」

そして私を抱き上げると、私の寝室に入って行った。

「仲直りしよう。」












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