あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
やっぱり小夜子さんには隠し事は出来ないようだ。

「佐川さんに会って来たのね?」

私はゆっくりとうなずいた。

「小夜子さん、ご心配お掛けしました。」

私はそれだけ言うので精一杯。

「じゃあ、今日からいっぱい仕事してもらうからね。」

小夜子さんがそう言った時、社長が事務所に入って来た。

「山根から相原さんと相談して、今日から一人で帰ると決めたらしいが、本当に大丈夫か?」

心配そうに社長は私を見た。

「もう1か月経ちましたし、これ以上山根さんに迷惑をお掛けできません。それにあれから一度も彼とも顔を合わせていないから、諦めてくれたんだと思います。」

私がしゃきしゃきと返事をするのを聞きながら、社長はチラッと小夜子さんを探っている。

「佐川さんと仲直りしたんだって。」

小夜子さんは嬉しそうに社長に話した。

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