あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
そうか。
みんなには私のストーカーの事でも心配を掛けていたんだ。
きっとこの1か月の私の様子は、みんなはストーカーのせいだと思っていたに違いない。
とても申し訳ない気持ちが沸き起こる。
「だからさ、初めはみんなが相原さんを送るって大変だったんだから。それを俺が無理やり専属にしてもらったんだからね。その辺分かっている?」
山根さんは私の顔を覗きこむ。
「お礼ぐらいもらっても良いよな。」
そして私の唇に触れるか触れないかのキスをした。
「山根さん!」
あまりにも想定外の山根さんの行動に大きな声が出てしまった。
真っ赤になってしまった私。
「佐川さんには内緒だよ。」
山根さんはそう言って、逃げるように事務所のドアに向かった。