あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
そうだ。

私が篤弘に襲われそうになった時、私を篤弘から引き離し、殴ったのは雄二だった。

あれは私のためじゃなく、有美のために取った行動だったんだ。

「だから卒業したら、有美と別れられる。そしてちゃんと俺の気持ちを萌香に話そうと思っていた。でも…、あんな事をしてしまうなんて…。」

今はすっかり後悔しているような篤弘の姿。

「もうあそこで二人になった時に、今まで抑えつけていた自分の感情があふれだしたのが分かった。」

篤弘は優等生タイプだ。

そんな篤弘は、きっと自分の中で葛藤していたんだろう。

そしてそんな姿を決して私達に見せないだろう。

でもそこまで追い詰められていたなんて…。

少しやんちゃな面を持って、場の雰囲気盛り上げていた雄二とは反対のタイプだったと思う。

でも雄二も有美のために、思いを秘めていたのか…。

「罰が当たったみたいで、再就職もダメになったしな。」

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