あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「苦しかったよ。あんなに仲良かったみんなと連絡を絶ったんだもの。つい最近まで有美とも会えなかったし…。」
私はうつむいたまま、言葉を絞り出した。
「どうしてこんな事になっちゃったのかなって考えてばかりいたよ。私がこんな状態を作り出してしまったのかと、ずっと罪悪感ばかりだった。」
郁也が私の頭を撫でた。
よく言えました…って褒めてくれているよう。
私は郁也の方を見て、私を見ている郁也にうなずいた。
「もう…、私を解放してくれないかな。それで篤弘も自由になってほしい。」
私は篤弘を見つめた。
「ごめんね。篤弘の思いに気が付いてあげられなくて。」
私は篤弘に頭を下げた。
篤弘は魂が抜けてしまったかのような様子だ。
「これからは萌香のそばにずっと俺が寄り添います。だからあなたも幸せになってもらいたい。」
郁也はこれで話が終わったかというように、私の手を引っ張って立ち上がった。