あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
私は一生懸命、自分でもこの状況に驚いている事を山根さんに訴える。

そしてその時に、正式に社長と小夜子さんの結婚と、私の後を小夜子さんが引き継ぐことも発表された。

あまりにも驚きの報告ばかりに、全員があっけに取られている。

そんな中で木村君が叫んだ。

「了解しました。木村は会社を盛り立てて頑張って行きます。」

みんながどっと笑った。

そして会議はお開きとなった。

木村君の一言で、和やかな雰囲気のままで。

私はもう一度みなさんの各デスクに出向くと、それぞれの人に挨拶した。

「寂しくなるな。相原さんには随分癒されていたんだけどな。」

伊藤さんが笑った。

「本当にお世話になりました。」

私が深々と頭を下げると、そこに山崎さんがやって来た。

「まだ帰らないのか?」
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