あなたに包まれて～私を分かってくれる人～

「透はお客様の相手で忙しいの。でも私一人じゃないわ。」

そして有美は廊下にいる人達に合図を送った。

「あっ…。」

そこには正装をした篤弘、雄二、直孝…。

大学時代の仲間が顔を出した。

「萌香、元気？」

あの時、篤弘を殴った雄二が笑う。

雄二は別の中堅の建設会社に勤めているらしい。

「お前、凄い人と結婚するんだな。」

そうびっくりしているのは、あの日私を家まで送ってくれた直孝。

「驚く事があってさ…。」

郁也が直孝を見て笑った。

「この石川君は、うちの会社で働いているそうだ。」

「まさか、自分の勤めている会社の専務の婚約者が萌香なんてな。本当に驚いたよ。」