あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
雄二と直孝は即座に返事した。

「俺も良いですか?」

恐る恐る聞く篤弘を見て、透さんが笑った。

「君には有美の元カレとして、ちゃんと俺と有美を認めて欲しいから、猶更だな。」

「そういう事なら、出席させて頂きます。」

篤弘にも笑顔が戻る。

こんなやり取りが出来るなんて、本当に嬉しい。

気持ちがあの楽しかった大学時代に戻る。

「萌香さん、そろそろ郁也の元にお連れするよ。有美、他の人を会場に案内してやってくれ。」

有美がうなずいて、先に4人が出て行った。

「さっ、心づもりは大丈夫かな?」

少し心配そうに、でも柔らかい笑顔で透さんは私に言った。

「上手に郁也の横で笑えるように頑張ります。」

私は透さんの後をついて行く。

< 381 / 400 >

この作品をシェア

pagetop