あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
山中建設が提携をしている、日本人なら知らない人はいないだろうと思われる大きなホテル。

その一番広いであろう大宴会場。

私はその扉の前に来た。

中はざわついていて、たくさんの人が集まっている事を伺わせた。

私は急に自分の心臓の音を意識した。

そのドキドキが大きく早くなっているのを感じる。

「萌香?」

私の後ろに郁也がやって来たのが分かった。

「おう、郁也。ちゃんと婚約者をお連れしたぞ。」

わざとかしこまってそんな事を言う透さん。

「大丈夫か?」

郁也は心配そうに、私の横に並んだ。

「心臓が飛び出そう。」

郁也を見上げて、正直に伝えた。

その瞬間、落とされた郁也からのキス。
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