あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
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会場の入口で、お客様の帰りを見送った。
取引先の社長さん達に緊張しながら、私は郁也と共に頭を下げていく。
まだ山中建設の専務秘書になってから日は浅かったけれど、何度かお会いしている方もいる。
私の山中建設での一番初めの仕事は、今日来て頂く方の名簿の整理と顔と肩書、その他必要な事を覚える事だった。
だから実際初めてお会いする方も初めてという感じはなかった。
そんな緊張感の中、前の会社の社長と小夜子さんの順番が来た。
「疲れたでしょう?」
小夜子さんが小さな声で私を労ってくれた。
私は思わず顔が綻んでしまった。
「立派だったわよ。主人と感心していたの。」
小夜子さんの言葉が私の緊張を解いていく。
横から社長が顔をこっちに向けた。
「滝沢はしっかりやってくれているから安心しろ。相原さんの事を知っているのは山根だけだし。それがあの二人がなかなか良いライバルでな。お互いの課を盛り上げていってくれそうだ。」
取引先の社長さん達に緊張しながら、私は郁也と共に頭を下げていく。
まだ山中建設の専務秘書になってから日は浅かったけれど、何度かお会いしている方もいる。
私の山中建設での一番初めの仕事は、今日来て頂く方の名簿の整理と顔と肩書、その他必要な事を覚える事だった。
だから実際初めてお会いする方も初めてという感じはなかった。
そんな緊張感の中、前の会社の社長と小夜子さんの順番が来た。
「疲れたでしょう?」
小夜子さんが小さな声で私を労ってくれた。
私は思わず顔が綻んでしまった。
「立派だったわよ。主人と感心していたの。」
小夜子さんの言葉が私の緊張を解いていく。
横から社長が顔をこっちに向けた。
「滝沢はしっかりやってくれているから安心しろ。相原さんの事を知っているのは山根だけだし。それがあの二人がなかなか良いライバルでな。お互いの課を盛り上げていってくれそうだ。」