あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「そうですか。良かった。」
そんなに時間が取れない。
お名残り惜しいけど、二人はそのまま去って行った。
最後に残ったのは、あの4人組と透さん。
「私達は先に行くよ。」
郁也のご両親も疲れた顔をしながら、でもホッとした表情を浮かべている。
「これで肩の荷が下りたよ。」
そう言って、お父さんは郁也の肩をポンとたたいた。
何となくぐるっと輪が出来た。
「郁也さん、お疲れ様でした。」
有美が郁也に声を掛けた。
みんながその声にフッと笑顔になった。
ここで正式にパーティが終わったような気がした。
「でもさ、初めのあの萌香のカチカチの表情を見ていたら、倒れちゃんじゃないかって心配したぜ。」