あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
こういう遠慮のない事を言うのは、やっぱり雄二。

それにみんなの笑い声が重なった。

「そんなに緊張していた?」

私は思わず郁也の方を向いた。

「隣に居ても、萌香の心臓の音が聞こえるかと思った。」

くすくす笑いながら郁也は言った。

「そりゃ、郁也はあんな場には慣れているだろうけれど、萌香さんにとっては、あんな大勢の前に立つだけでも、足がすくむよな。」

透さんが同情をしてくれる。

「でも、萌香は案外肝が据わっているんですよ。こう見えても。」

直孝が何か意味あり気そうに笑う。

「そうそう、いろいろびっくりさせられたよね。」

有美がそう言うと、横で篤弘が面白そうにうなずいている。

「ええっ、私が一番大人しいと思っていたのに…。」

私がそう言うと、他の4人は一斉に私の方を向いた。

雄二が口を開く。
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