あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「でもいいな。仲間って。」
郁也はふんわり笑う。
「本当に飾らないで、一緒に居た仲間なの。でも郁也、本当にありがとう。郁也がみんなに連絡を取ってくれたんだよね。みんなに聞いたよ。」
私はちょこんと頭を下げる。
「なんかさ、本当の萌香の姿を見るために、みんなと再会させたいと思ってさ。まあ、俺の勝手な考えだ。」
何でもないかのように郁也は話す。
「でもやっぱり同じゼミだけあって、みんなこの業界なんだもんな。調べやすかったよ。俺にはこんな簡単な事はない。」
ははは…と郁也が笑う。
そして私にキスをした。
軽く交わされた後、そのまま郁也が離れるのかな…と思ったその瞬間。
「ん…、ん~。」
すぐに郁也の唇が戻って来た。
予想外のこのタイミングのキスに、思わず声が漏れてしまった。