あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
俺と萌香が一緒に居るであろうこれからを考えると、きっと短い期間に違いない。
それでもこの悔しい思いは否定出来ない。
俺はもう一度萌香の顔を見た。
「俺はやきもち焼きだったんだな。」
一緒に居れば居るほど、萌香の意外な一面を見せられる。
そんな萌香にますますハマっていく自分を自覚している。
まだまだ始まりなのに。
前の会社では一緒に居たようでも、仕事上でほとんどかかわりがなかった。
だから今秘書としてそばに居る萌香を見ていると、ますます驚かされる事ばかりだ。
確かに仕事は早いとは言えない。
もちろん、まだ秘書という仕事に慣れていないという事もある。
しかし、萌香が持つ第三者との対面の時に発揮するその雰囲気、そしてパワーみたいなものに、今更ながら俺は圧倒されている。
誰もが萌香を紹介すると、穏やかな表情をする。