あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
今は午前中だけ仕事をしていて、主に社内用の書類の入力を手伝ってもらっている。

とても頼もしい先輩なのだ。

「佐川さんもそうだけど、何でも相原さんがやっておきますって言っちゃうから、みんな甘えちゃうのよ。」

そうなのかな。

いつも小夜子さんにそう言われてしまうけど、自分では意識はしていない。

でも私に出来るお手伝いだけはなるべくしようと思っている。

「相原さん、蛍光ペンが書けなくなったんだけど、新しいのある?」

今度は1つ先輩の入社6年目の営業課の山根さんがやって来た。

営業マンらしく、すっきりしたさわやかなスーツ姿。

「何色が欲しいですか?」

そう聞く私に、その書けなくなってしまった蛍光ペンを山根さんは差し出した。

「黄色。」

もう山根さんのこの素っ気ない言い方にも慣れた。

実はシャイなだけなのだ。

< 4 / 400 >

この作品をシェア

pagetop