あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
この訳の分からない状況に緊張を感じる。
でも何だか佐川さんの様子を見ていると、逆らえない自分が居た。
私からは話しかけられそうもないな…と思った時、急に佐川さんが口を開いた。
「ねえ、さっき言っていた記念品の事なんだけど。」
「はっ、はい。」
私は驚いて返事をする。
「今度の日曜日は暇か?」
いつも会社であれだけ話しているのに、何で今日は佐川さんの言っている事がこんなに理解出来ないんだろう。
「あの、それが記念品と何か関係があるんですか?」
そう言った途端、エレベーターが最上階についた。
エレベーターの前に玄関らしき重々しい扉が1つあるだけだった。
佐川さんは手早く鍵を開けると、顎で入るように合図する。
「あの…。」
私は恐る恐る聞いた。