あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
すると佐川さんはお茶のペットボトルを私に持ってきてくれた。

自分にはビールの缶を持ってきたようだ。

そして浅くソファに座っている私の横に佐川さんも座った。

落ち着かない私をチラリと佐川さんは見ると、手に持っているビール缶を手早く開けて、それを一気に飲み干した

「はあ~。」

佐川さんの口からそんな声が漏れる。

そして佐川さんは私を見た。

「俺が実家の会社に戻る事は話したよな。」

佐川さんは口を開いた。

私はゆっくりとうなずいた。

「山中建設って知っている?」

知っているも何も、日本で有数の大手の建設会社だ。

私はもう一度ゆっくりとうなずく。

でも何の関係があるんだろう…そう私が思った瞬間、佐川さんは自分を指さして言った。

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