あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

「…ホントはさ。」

少し恥ずかしそうに佐川さんは言い出した。

「俺の仕事が軌道に乗ったらさ、萌香に会社に来てもらおうと思っていた。」

私はやっぱり佐川さんの言う事が理解出来なくて、首を傾げた。

私の眉間にしわが寄る。

「だからさ、しばらくしたら萌香を俺の秘書にしようと思っているわけ。」

ん?

今、何気に凄い事言われていない?

「ええっ~。」

私は今日一体何度叫んでいるんだろう。

今日は佐川さんに驚かされてばかりだ。

「どうして私なんですか?佐川さんがさっき言ったんですよ。私は不器用でどんくさいって。もっと佐川さんの仕事をちゃんとフォロー出来る人が他に居るんじゃないですか?」

私は思わず意気込んで言い返している。

そんな佐川さんは私を睨んでいる。
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