あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

「言いたい事はそれだけか。」

私は佐川さんのその言葉に首をすくめた。

「俺をフォロー出来るのは萌香しかいないんだ。」

佐川さんは自分で言っている事が矛盾している事に気が付いていないのかな。

今日の佐川さんは本当に理解不可能だ。

「本当はこの話を居酒屋でして、そのまま帰るつもりだったんだ。ただ普通に
転職を萌香に勧めて、考えてもらう時間を与えるために。」

これ以上何があると言うんだろう。

私はもう混乱している。

分からない、佐川さんが何を言いたいのか。

「居酒屋での萌香は可愛すぎた。」

顔を赤くして佐川さんが言った。

私もそんな佐川さんの様子に、オロオロとしている。

「もうダメだ。」

佐川さんはそう言うと私を抱きしめた。

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