あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「もうゆっくり攻めるのはやめだ。」

佐川さんは一体何が言いたいの?

「あの、佐川さん…?」

私は何も出来なくて、ただただ佐川さんの胸に抱かれていた。

初めは驚きだけだった。

でも少し落ち着いてくると…。

「佐川さん、…温かい。」

私の口からぽろっと零れ落ちた言葉。

私はいつの間にか自分の頬を佐川さんの胸に押しつけていた。

佐川さんの胸の音が聞こえる。

でも佐川さんの腕の力は緩まない。

とても居心地の良い佐川さんの胸。

なんてことだろう。

ビールの一気飲みのツケだろうか。

どうしようもない眠気が私を襲って来た。

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